フレキシブルでコスト効率の高いテンプレートが、多数の調査案件を支えてくれる。
スマートニュース株式会社
Senior Marketing Strategy & Insights Associate 谷川温子 様
公開日:2024年10月29日
スマートニュース株式会社様は、世界中の良質な情報を必要な人に送り届けるというミッションのもと、モバイルのニュースアプリ「スマートニュース」を開発・運営されています。優れたパーソナライズ機能により、日々進化する情報をユーザーにとって本当に価値のある情報として届けることでも知られています。ニュースのあり方を大きく変えると評価されている最先端の企業です。
さまざまな数値とデータから、ユーザーの意識に迫りたい
――― 本日はよろしくお願いいたします。まずは谷川様の、所属部署と役割についてお聞かせいただけますか。
谷川様:
現在の所属はマーケティングチームです。主にコンシューマーインサイトを担当しています。主なミッションとしては、ユーザーグロースのためのユーザーインサイトの提供ということになります。当社は事業柄、ログや数値などのデータは取得できるのですが、その背景にあるユーザーの行動や裏側にある意識を掴むためには、CSに寄せられるユーザーの声を確認したり、アンケート調査を実施する必要があります。そこで定性データを含めたインサイトを社内で共有することが重要であり、その分析と共有を担当しています。
そのため率直にお話しすると、OPTICOというサービスツールがあってとても助かっています。年間に多くの施策が進行しており、その他にも、新しいアイデアの調査をしたいというリクエストが日々届いています。OPTICOを利用することで最小限の人員でもスムーズに進められるのです。実際のところ、この業務にあたっているのはごく少数で、リスケジュールが必要になるような滞りは起きていません。
――― では、いわゆる消費者調査についてお聞かせください。御社ではどのような調査を実施しておられますか?
谷川様:
プロダクトアイデアがあり、ユーザー課題を解決しようと開発が始まったときに、「その課題は実際に存在するのか」を定量や定性で確認し、そしてある程度確認できたところで「課題を解決するためのソリューションとしてこのプロトタイプは適切かどうか」をインタビューで検証するというようなパターンが弊社では多い気がします。
調査方法については、小規模なものではモデレーターも内製化して行います。ニーズやインサイトを拾うような探索系の調査では、調査の規模も大きく、分析までの工数もかかりますので専門の協力会社さんに依頼することもあります。
OPTICOに期待したのは、テンプレートの柔軟性とコスト効率
――― 弊社のサービスOPTICOについてもお聞かせください。御社では、「施策評価」を目的とした御社専用のオリジナルテンプレートなどをOPTICO上でご利用いただいていますね。導入前の期待感としては、いかがでしたでしょうか。
谷川様:
弊社では“施策”と呼称しておりますが、ニュースの配信以外にアプリと連動する様々なコラボレーションなどの特別企画を実施しています。施策の可否については当然ですが評価が必要です。ところが一般的に考えますと、本数と共に調査コストも増えていくため、評価の実施にはハードルの高さを感じていました。
OPTICOのご案内をいただいてからは、「同じようなタイプの調査を多数行う場合など、テンプレートが使えて時間的・費用的にもコンパクトに収まるならよいサービスだな」とコスト効率面に期待していました。
――― 導入の検討にあたり、問題や障害となったことなどはありましたか。
谷川様:
定型化していくということは、まさにテンプレートをどうつくるか、という話になります。施策の担当が複数おりますので、テンプレートをどうつくるか、可変の余地はどのくらいあるか、という点は議論になりました。しかしこの点を御社にご相談したところ、「では、テンプレートはいくつかを保持できるようにしましょう」と柔軟にご開発していただいたので、おかげさまでクリアすることができました。費用については部署の責任者と検討しましたが、その使いやすさと調査の本数とを総合的に考えましたので、特に問題にはなりませんでした。
シンプルで使いやすいUIがチーム内でも評価されています
――― では、OPTICOをご導入いただいての率直なご意見をお聞かせくださいますか。
谷川様:
UIがシンプルで分かりやすいな、というのが私の第一印象です。でもこれは私だけの感想ではなく、普段リサーチの担当ではないメンバーからも、全体的に操作しやすいという声を多くもらっています。従来のリサーチでは、施策ごとに調査設計を行い、社内の施策関係者で合意する必要がありましたが、現在はコミュニケーションの量がコンパクトになっています。現在、当社のエンターテインメント関連の施策評価はすべてOPTICOで行っています。利用の回数が見込めるものについては今後もOPTICOを利用することになると思います。
また、調査会社様とのコミュニケーションという面でも良いと思いました。通常の調査の場合、いまはSlackなどのツールの進化によって楽にはなってきましたが、依然としてやり取りや交渉が必要な場面はどうしても出てきます。実査の完了まで基本的に“OPTICOの中だけで完結できる”という点は、特にベネフィットを実感しています。
――― いまお話に出ましたコミュニケーションについてもう少しお聞かせください。外部の調査会社様との業務遂行の中で、谷川様ご自身も不満を感じるご経験があったということでしょうか。
谷川様:
不満というより、より一層効率化できないかな、と思ったことは何度となくありました。たとえば調査会社が持っているテンプレートを活用する場合であっても、「一応、確認してください」というやり取りは発生していました。また、何かしらの理由からテンプレートが更新されていたり、変わっていたりすることもありました。その点OPTICOを使用すればテンプレートはこちらが主導で開発できますし、運用もすべてはOPTICOというシステムの中で完結することですので、仮に人員的な変化があっても改変が起こり得ず、安定して運用できるわけです。そのあたりの安心感は私にとってはとても大きいです。
――― 通常の調査と比べてのご評価をお聞かせください。
谷川様:
良い点を挙げるとするなら、まずは“スピード”ですね。ちょうど昨日からOPTICOを利用して開始した案件があるのですが、このインタビューの直前にステイタスを確認したところ、既に回収まで完了していました。施策担当者も閲覧できますので、今頃は「データの集計をお願いします!」と結果を心待ちにしていることと思います。こうした仕事に対するモチベーションの向上を図れるところもいいですね。
調査の実施が、評価の標準プロセスとして定着
――― OPTICO導入後の、社内の皆様のご反応はいかがでしょうか。
谷川様:
現状では、分析し終えたデータをチームに共有しているため、チームの一人ひとりがOPTICOに対して強く意識するということにはなっていないように思います。
ただ、弊社では施策の本数が多数ありますので、施策スケジュールの中に調査のスケジュールが組み込まれていることは、個人的にとても有効だと実感しています。施策の評価を行う必要性や意味について、そのたびに説明する必要がなくなりました。OPTICOなら、あらかじめスケジュールの中に組み込んでおけますので、定例のミーティングで確認しておけば自然と “やるもの”として認識され、かつ、テンプレートを用いることで比較的安価に実施できるということは良い点の一つだと思います。
あまり調査に明るくない担当者もいるなかで、OPTICO導入以前は調査の実施はまちまちでした。全員が調査について詳しいわけでありませんので、設計や費用面でネガティブになることもあったように思います、「そこまでかかるのなら、今回は見送ろうか」と。しかしOPTICOの導入後は施策の企画や実施には“評価が必ずセットになっている”という認識がチームで共有できていますし、費用面でもリーズナブルに利用できますので、社内は肯定的に受けとめているように思います。
――― 調査業務の効率化という観点からは、いかかでしょうか。御社では施策の多さが特徴的ですので、そこに評価がセットとなると…
谷川様:
はい。施策評価は年間に10本以上あると思うのですが、一般的な調査会社様と一緒にこれを丁寧にしていくのはなかなか大変だと思います。OPTICOの場合は、施策名と画像だけを入れ込めば基本的にはすぐに実査ができる状態になりますので、あくまで体感ですが、設計・工数・作業時間という点でかなりの効率化を図ることができていると思います。社外の方を挟む必要がなく、おおかたすべてを自分たちでコントロールできるということが大きな利点であるように思います。
――― 調査費用のコスト面についてはいかがでしょうか。
谷川様:
これも具体的な数字があるわけではありませんが、体感として“ほぼ半額くらい”に圧縮できていると感じます。従来のようにアドホックで調査会社様に依頼することと比べるなら、費用面でもかなりのコストダウンに繋がっていると思います。
――― 最後にOPTICOに対して今後どのような機能やサービスを期待されますか。改善のご要望などがありましたらご教示ください。
谷川様:
実は一般的なオートメーション型のリサーチサービスというものに対しては、仕上がりのクオリティを心配している部分があったのですが、OPTICOであればまったく問題ないと思っています。他のツールの心配だったことを具体的に例として挙げるなら、割り付けが思い通りに組めない、どこのパネルを使っているのかわからない、といったことでしょうか。それから回収の方法についても見えづらいと感じるものもありました。こうしたちょっとしたことではあるのですが、特に海外のツールであったりすると問い合わせするにしても手間がかかりますし即時性もありません。
その点、今利用しているOPTICOのテンプレートは普段の調査でもお世話になっている調査会社さんにつくってもらったもので、利用開始後も監修してもらっているサービスですので安心だな、と思っています。
もう少しこういうことができたらいいな、と思ったことを挙げるなら、OPTICOのテンプレートを使った調査を重ねてきて中で、過去の調査結果を並べて比較ができたらいいな、ということでしょうか。これからも順次進化されていくとお伺いしていますので、とても頼もしく期待しています。